雑誌【あんしんLife】6月号に掲載されました。

── 商品を通してお客さまと直接対話し健康の喜びを分かち合いたい ──

『建設業から健康器具の分野へ』

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建設業から健康器具の開発・販売会社というまったく畑違いの分野へ事業転換し、幾たびか荒波に揉まれながらも一つひとつ経験を積み重ねて販路を広げてきた会社がある。温暖な気候と東西への交通環境に恵まれた静岡市の南部、駿河湾を間近に望む住宅地の一画にある、(株)都である。
  創業は平成8年。建設会社勤務の経験をもつ望月みや子社長(59歳)が、建設の技術・ノウハウをもつスタッフ数人と立ち上げ、一般住宅やビルの建設、店舗・スタッフの改装などを手がけていたという。
 転機が訪れたのは2年後の平成10年。当時、自社ビル建設の依頼を受けていた健康器具関連の会社が経営危機に陥り、やがて倒産。紆余曲折を経て、その会社が進めていた家庭用低周波治療器「フットスキッパー」の開発プロジェクトを引き継ぐことになったのだ。
 「建設業とはまったく関係ない分野の話ですから、初めはお断りしたんです。でも開発中の商品自体はすばらしいもので、その開発資金を出資していたこともあり、何ヶ月も悩んだ末、事業を引き継ぐ決断をしました」
 さらに、「やるのであれば中途半端にはできない」と、建設業からは完全撤退。健康にかかわる医療知識、さらに販売のノウハウを身に付けるため、一から勉強を始めた。その努力が実り、いまでは一人ひとりのユーザーに商品の良さや健康に関するアドバイスができるようになったという。

『ユーザーとの交流を第一に』

 同社が開発プロジェクトを引き継いで完成させた「フットスキッパー」は、血液やリンパの流れを良くし、自律神経のバランスを整える「低周波治療器」として、厚生労働省から家庭用医療機器の承認を得ている。足裏のツボで身体の症状を判断したあと、それに基づいて複数のツボを組み合わせ、個々人に合った治療を行うことができるのが特徴だそうだ。
 「北京医科大学の張書鵬先生からツボの組み合わせの特許を買い取って、足裏のツボを機器に配置したり、血液やリンパの流れを良くするための周波数を変えるなど、さまざまな工夫を重ね、製造は大手治療器メーカーに委託しました」
 ところが発売当初は訪問販売事業所に卸していたため、販売後のフォローが行き届かず、購入しても使われないケースが多かったという。さらに代金の回収が滞るなど、一部の販売事業所に経理上の問題が生じたこともあり、平成16年からは直販に切り替えた。
 「訪問販売ですとどうしても売ることが目的になってしまいます。当社はお客様に健康になってもらうことを目的としていたので、使われていないことがとても残念で、もどかしかったです」
 そこで望月社長は直販を機に電気治療の専門医師・周東寛氏を顧問に迎え、医学的な根拠に基づいた使用法について指導を受け、徹底的に商品研究を行ったそうだ。そしてその成果を「内臓トレーニング」と命名し、その内容を小冊子とDVDにまとめてお客さまに配ったところ、お客さまから感想が寄せられ、現在はそれらをニュースレターとして定期的に発信しているという。
 さらに「内臓トレーニング」を普及させるため、平成19年、内臓トレーニング協会を結成(平成20年社団法人認可)。最近では医師、柔道整復師等も治療に取り入れているという。
 一方、「フットスキッパー」以外にも保湿抗菌ジェルやマイナスイオン発生器など、健康になるための各種商品も開発。11年前の望月社長の決断は、いま、結実の時を迎えているようだ。


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『中小企業のビジネス・生活情報誌【あんしんLife】2009年6月号の企業訪問(P36,37)のページに掲載されました。』