電気刺激で治療  ──病気で落ちた視力回復 筋力強化しリハビリ──

体に微弱な電気を流して運動機能や視力を回復する研究が相次いでいる。東京大学などは頭部に電気刺激を加えて足の筋力を高めることに成功、大阪大学は網膜に電気を流して病気で低下した視力を回復できた。リハビリや治療の新方法として普及が期待される。
 東大の渡辺克己准教授らと国立精神・神経センターは頭に電極付きの布を置いて微弱な電流を流したところ、足の指の筋力を2割程度強くできた。体を動かす脳の神経細胞を活発にした。手術などは必要なく携帯型の小型装置で治療できる。脳血管障害の後遺症やパーキンソン病の患者のリハビリなどとして年内にも臨床研究を始める。
 阪大の不二門尚教授らはコンタクトレンズ型の電極を開発。神経系に栄養を運ぶ血管がつまり視力が低下する「虚血性視神経症」の患者18人の網膜を微弱な電気で刺激したところ、半数以上で視力が高まった。そのうち半数は0.3の視力が0・6以上になるなど大幅に回復した。神経に栄養を与える因子の分泌を促すとともに神経を活性化した。年内にも国の先進医療制度を申請し、他施設への普及を目指す。
2009年6月22日  日本経済新聞