アロマセラピー 痛みを緩和

緩和ケア(ホスピス)でアロマセラピーなど代替療法の必要性が認識される中、神山復生病院(御殿場市神山)のホスピス病棟では、県内でもいち早く専門のアロマセラピストによる定期的な施術を取り入れている。患者からは痛みやだるさが楽になり、精神的にも落ち着くようになったなどの声が上がっている。

神山復生病院はわが国初のハンセン病の病院として設立され、二〇〇二年には、がんなど終末期の患者と家族が快適に過ごせるホスピス病棟を新設した。
薬で痛みを和らげる処置やリハビリを行う中、ホスピス課の武井弥生医長が代替療法としてのアロマセラピーに注目。神奈川県内のホスピスのアロマセラピスト村田和乃さんと出会い、昨年十月からボランティアとして施術を依頼している。
アロマセラピーの資格を持つ村田さんが毎週火曜日、ホスピスの患者やハンセン病の元患者に施術する。ラベンダーやユーカリなど薬用植物のオイルを手につけ、患者の足や背中にゆっくりすり込んでいく。オイル成分には炎症の抑制や粘液の粘りを和らげる作用などがあるため、たんが出やすくなったり、よく眠れるなどの効果も表れている。
セラピーを定期的に受ける男性(七二)は「冬など背骨が痛むが、施術後は血行が良くなって楽になる。オイルの香りや手のぬくもりで気持ちもリラックスします」と話す。
日本ホスピス緩和ケア協会によると、緩和ケア施設は全国に約百四十カ所。音楽療法やアロマセラピーなど代替療法の研究も進み、緩和ケアの補完的な方法として浸透しつつあるという。県内では静岡がんセンターなど緩和ケア病棟を持つ施設が数ヵ所あり、看護の一環としてマッサージなどは行われているが、アロマセラピストなどの専門家は配置されていない。
欧米には、アロマセラピーが医療保険の対象になっている国もある。武井医長は「効果は分かっているが、日本では専門家の派遣などコストもかかり、導入が難しい状況もある」と指摘する。
2006年1月25日  静岡新聞